今回はインフレについて考えてみよう。
15年前、3000万円だったマンションが、
同じ場所、同じ間取りで今販売されると
5000万円を超える場合が多い。
なぜ、2000万円も上がるのだろう?
建材が高くなった。人件費が上がった。
それもあるが、
自分は売りたくないの積み上げと分析する。
"売りたくない指数“と命名してみる。
価格が上がる背景には、サプライチェーン全体に
広がる「売りたくない」という感情がある。
- 地主は「土地を安く売りたくない」
- ゼネコンは「工事を安く請けたくない」
- 建材メーカーは「材料を安く納入したくない」
- デベロッパーは
「マンションを安く販売したくない」
この「売りたくない」が、
需要に対する供給制限を背景に
川上から川下まで積み重なっていく。
そして最終的に、
エンドユーザーには2000万円増の
価格で販売される。
他を見渡してもそれ以下で売っていないので
エンドユーザーは
「これからもっと上がるかもしれないし、
それで今買うしかない」という判断を下す。
今の市場は、完全に売り手優位だ。
インフレ、人材不足、資材高騰
安くすると、ニーズが高まり、
生産が追いつかなくなるから
売りたくないを価格で提示する。
今は「売りたくない」が強まっている。
では、慢性的な人手不足の未来に向けて
価格はずっと上がり続けるのか?
そうとは限らない。
経済の原則はシンプルだ。
高くて買い手が減れば、
「値段を下げて売るしかない」
に天秤⚖️は傾く。
これが需給バランスだ。
**潮目が変わる兆し**
再開発に沸く東京でも、変化の兆しが出てきた。
・帝国ホテル建替計画の延期
・グランドプリンスホテル新高輪
の再開発スケジュール見直し
これらは、単なるプロジェクトの遅延ではない。
オフィス賃料が上がり続ける東京でも、
今の建設費では不動産の収益が割に合わない
と判断され始めている。
発注者たちが、
「その高額な価格では買いません。」と言い始めた。
この動きが連鎖すると、
"売りたくない"の潮目が変わる。
ゼネコンは売り上げ確保のために、
競合との安値受注合戦に戻り、
往年の発注者優位側に天秤が
再び傾くかもしれない。
ただし、従来と違う一つ重要な点がある。
生産力は戻らない。
8がけ社会では、大工も職人も減り続けている。
建設費が大きく下がることはない。
「売りたくない」を価格で示すのは、
ビジネスの論理としては正しい。
しかし、
その重みを、私たちは考えているだろうか?
その価格が社会全体の負担になるとき、
それは倫理の問題に関わる。
潮目は必ず変わる。
そのとき、横柄な真似をしていた者は淘汰され、
誠実に価値を提供し続けた者が生き残る
願わくば
そういった未来であってほしい。




