2026年10月3日土曜日

マンションは、さらに上がる?


マンション価格は、

これからさらに高くなるのではないか。


モラリストはそう予測している。

もちろん、「必ず上がる」

と言っているわけではない。


そう思える根拠を示す。_φ(・_・


金利が急上昇すれば、

住宅ローンを組める人は減る。

景気が悪化すれば、買い手も減る。

人口減少も長期的には住宅需要を押し下げる。


それでも、

都市部の駅チカマンションには、

価格が下がりにくい構造がある。

そう考えている。


理由は、大きく3つある。


① 土地が買えなくなっている

まずは、土地だ。

15年前なら、

「駅から徒歩数分なのに、

 こんなに広い土地が残っている」

という場所が、まだあった。

中古車販売店だったり、

大きな駐車場だったり、

古い工場だったり。


失われた30年と言われた不景気の中、

手放すヒトはたくさんいたが

買い手は不在だった。


デベロッパーはそうした土地を買って、

マンションを建てることができた。

ところが今は違う。

駅に近い土地には、

マンションだけではなく、

ホテル、オフィス、商業施設もライバルだ。

つまり、

マンション同士だけで

土地を奪い合っているわけではない。


駅チカの土地そのものを、

いろいろな用途が奪い合っている。


実際、国土交通省も

現在の住宅価格上昇の要因として、

都心部などの堅調な住宅需要を背景とした

用地取得費の上昇を挙げている。


さらに2026年の地価調査でも、

全国の住宅地は5年連続で上昇。

三大都市圏でも上昇が続いている。


デベロッパーは

どうしても欲しい土地なら、

「この価格でなければ売らない」

という売り手の条件を飲まざるを得ない。

つまり、

土地価格が上がる

↓

マンション原価が上がる

↓

販売価格も上がる

という構造になる。


② 「作る人」が減っている

2つ目は、

建設業の担い手不足だ。


国土交通省によれば、

2026年8月時点の建設業の8職種では、

全国で1.3%の不足となっている。

前年同月は0.9%不足だった。


さらに建設技能者は、

60歳以上が約4分の1。

29歳以下は約12%。

国交省も、

将来の担い手確保を「急務」としている。


つまり、

土地があっても、

お金があっても、

建物を作る人が足りなくなる。

ここが大きい。

しかも、建設業がマンションだけを

作っているわけではない。


工場も作る。

物流施設も作る。

データセンターも作る。

オフィスも作る。

インフラも作る。


つまり、限られた建設労働力を、

いろいろな建物が奪い合う。


人が減る社会では、

「何を作るか」だけでなく、

「誰が作るのか」が重要になる。


作り手が少なくなれば、

労務費にも上昇圧力がかかる。

土地が高い。

材料も高い。

人件費も高い。

マンションの原価は、簡単には下がらない。


③ 「買える人」が価格を押し上げる

3つ目は、買い手側の変化だ。

ここが少し面白い。

マンション価格は、

「原価+利益」

だけで決まっているわけではない。

もちろん原価は重要だ。

しかし、デベロッパーにとって重要なのは、

「この価格で買える人が、どれくらいいるのか」

ということでもある。


例えば、

5,000万円まで借りられる人が中心だった市場で、

世帯年収の上昇や

住宅ローン期間の長期化によって、

6,000万円まで借りられる人が増えたらどうなるか。

市場で成立する価格帯も変わってくる。

近年はペアローンや

長期の住宅ローンも広がっている。

夫婦2人の収入を使い、

さらに親から頭金の援助を受ける。

すると、

「自分たちの収入だけでは

買えなかったマンション」が、

「なんとか買えるマンション」

に変わる。

いわゆる、パワーカップル+太い親

である。


もちろん、これはすべての世帯に

当てはまるわけではない。

むしろ、

住宅価格の上昇によって購入できる世帯と、

できない世帯の差が広がる可能性もある。


それでも、

「買える人がいる限り、価格が上がる余地は残る」

ということだ。


④ インフレだけでも、2040年には1.32倍

もう一つ、忘れてはいけないことがある。

物価だ。

仮に年間2%の物価上昇が続いたとする。

10年では、

約1.22倍。

14年では、

約1.32倍。

つまり、

2026年に5,000万円だったものが、

同じ5,000万円のままでは、

実質的には価値が下がっていく。


もちろんマンション価格が物価と

同じように上がるとは限らない。

しかし、

土地

+

建設資材

+

労務費

+

設備

+

販売費

が上昇する環境では、

「昔と同じ価格で作る」こと自体が難しくなる。


⑤ では、マンションは永遠に上がるのか?

ここは注意が必要だ。

ワタシは、

「マンション価格は永遠に上がる」

と言いたいわけではない。

むしろ、

二極化する

と考えている。

人口が減れば、

すべてのマンションの価値が上がるわけではない。

駅から遠い。

買い物が不便。

人口が減っている。

建物が古い。

管理状態が悪い。


こうした物件には、価格下落の圧力がかかる。

一方で、

駅に近い。

交通が便利。

病院や商業施設がある。

再開発が進む。

仕事が集まる。

人が集まり続ける。


こうした場所では、

人口減少そのものが、

逆に集中を生む可能性がある。

100人の村が80人になった。

では、

村全体が均等に20人減るのか。

そうとは限らない。

山間部から20人減る。

郊外からさらに減る。

そして駅前に人が残る。

すると、

100人→80人

になったのに、

駅前だけは人が減らない。

むしろ、

人・店・病院・学校・交通・お金が、

そこに集まってくる。


⑥ 「買うか、借りるか」は難しくなる

では、

「高いから賃貸でいい」

という選択はどうなのか。

もちろん、それも一つの選択だ。

住宅ローンを背負わなくていい。

価格下落リスクも負わない。

ライフスタイルも変えやすい。

ただ、

「いつか買おう」

と思っている人にとっては、

少し難しい問題になる。

5,000万円だったマンションが、

5,500万円になった。

「もう少し待とう。」

さらに、

6,000万円になった。

「もう少し待とう。」

そして、

6,500万円になる。

このとき、

「待つことで安くなる」

とは限らない。

むしろ、

待っている間に価格が上がってしまう

ということもある。

もちろん逆もある。

金利が上昇し、

景気が悪化し、

住宅需要が落ちれば、

価格が下がることもある。

だから、

「今すぐ買うべき」

という話ではない。


⑦ 大切なのは「マンション価格」ではない

ワタシが考える上で重要なのは、

「マンションが上がるか、下がるか」

だけではない。

もっと大きな問題がある。

それは、

「人口が減っていく日本で、どこに人が残るのか」

ということだ。

人口8がけ社会では、

土地の価値も8がけになる。

そんな単純な話ではない。

100人の村が80人になれば、

人がいなくなる場所と、

人が集まる場所が生まれる。

だから、

「日本の人口が減る」

と聞いたとき、

ワタシは、

「じゃあ不動産は全部下がる」

とは考えない。

むしろ、

「人はどこに集まるのか?」

を見る。

駅。

都市。

病院。

大学。

職場。

商業施設。

再開発地区。

そして、

それらを結ぶ交通網。


最後に

マンション価格が、

これからさらに上がるのか。

誰にも分からない。

金利が上がれば、

住宅ローンを組める人は減る。

景気が悪くなれば、

需要も減る。

だから、

「絶対に上がる」

とは言えない。

それでも、

土地が高くなる。

作る人が減る。

資材・労務費が上がる。

物価が上がる。

そして、

人が住みたい場所には、

買いたい人が残る。

この5つを考えると、

都市部の駅チカマンションには、

今後も価格を押し上げる力が働きやすい。

そして、

人口8がけ社会では、

「どこにでも住める」

時代から、

「人が残る場所を選ぶ」

時代へ変わっていくのではないだろうか。


マンションの価値とは、

単に、「建物の値段」ではない。


その場所に、

これからも人が集まり続けるのか。

その値段なのかもしれない。




2026年9月26日土曜日

AI時代の生きるチカラ

─問題は「奪われるか」ではなく

 「どこに配分するか」だ


AIの性能が、ものすごい勢いで向上している。

しかもコストはどんどん下がっている。


文章を書く。資料を作る。

市場を分析する。プログラムを書く。


こうした知的労働の一部は

加速度的にAIに置き換わっていくだろう。


すると、

「大変だ!AIに仕事を奪われる!」という

話になりがちだ。


自分は、少し違う見方をしている。🧐

今回はこれを深堀りしてみる。


人間の労働総量は、

かなり予測できる


AI時代を考えるうえで、

まず注目したいのは「人間が働ける総量」だ。


人口動態は、かなり精度よく予測できる。


20年後に何人が働く世代にいるか。

えんやす村でいえば、

2040年には100人が80人になる。


問題は、AIが仕事を奪うかどうかではない。


限られた人間の労働力を、どこに配分するか。

これが本質だ。


村人80人が全員パソコンの前に座ったら?


村人80人のうち、70人がパソコンの前で

AIを使いながら株の分析や動画制作を

していたらどうなるか。


一方で——

食料を作る人。電気を作る人。

家を建てる人。介護をする人。


こうした人が足りなくなったら、

どうなるだろう。


AIによって知的労働の生産性が100倍になっても、

パンが100倍になるわけではない。


AIによって知的労働の生産性が上がるほど、

逆に「人間をどこに置くか」が重要になる。



AIと人間の3段階分担


私はAIと人間の仕事を、3段階で考えている。


①考える・企画する → AIが強くなる

情報収集、分析、シミュレーション。

ここはAIが人間を圧倒する場面が増える。


②仕組みにする・人を集める → 人間の重要性が残る

「本当にやるのか?」「誰とやるのか?」

「反対する人とどう調整する?」

人間同士の信頼関係が必要な領域だ。


③現実世界で実行する → 人間+ロボット

土地を取得する。建物を建てる。

患者を介護する。作物を育てる。

最後まで「現実世界」を動かす必要がある。


「とくし丸」が示すヒント

移動スーパーの「とくし丸」が面白い。

AIで「どの地域に需要があるか」

「何を積むか」「どのルートか」は分析できる。

しかし、実際に車を走らせ、

商品を届け、高齢者に「今日は元気ですね」

と声をかける——そこには人間がいる。


AIが周辺業務を引き受けることで、

人間は**「人間にしかできない部分」**

に集中できる。


私自身の仕事を考えてみる


AIに「この工事をどう進めればいい?」

と聞ける。

工程表も、リスク分析も、AIにしてもらえる。


しかし現場には、

職人がいる。設計者がいる。

発注者がいる。近隣住民がいる。

そして予想外の問題が起きる。


人を集め、意見をまとめ、決断し、現場を動かす。


これは施工管理という仕事の、

かなり本質的な部分だ。

AIでは完結しにくい。



AI時代に価値が高まるもの


「知っている」だけなら、AIに聞けばいい。

では、何が残るのか。


●人と協力するチカラ

——一人ではできないことを仲間と実現する

●対立を解消するチカラ

——意見が違う人を排除せず、前へ進める

●責任を引き受けるチカラ

——最後に決め、結果を負う

●現実を動かすチカラ

——企画だけでなく、実際に人とモノを動かす


AIより賢くなる必要はない。

AIに任せられる部分はAIに任せればいい。

AIを使って、現実を動かせる人になる。


AI時代の本当の問いとは

「パソコンの中だけで完結する仕事」

の比重が下がり、

「現実世界を動かす仕事」の価値が

相対的に高まる。


8がけ社会では、

この変化がさらに重要になる。


人間が減る。

だからこそ、誰に、

どんな仕事をしてもらうかを

考えなければならない。


AI時代の本当の問いは——

「AIが仕事を奪うか?」ではない。


「限られた人間を、

 社会にとって必要な仕事へ、

 どう配分するか?」

なのではないだろうか。



【補足】

「これからなにを学んだら良いですが?」

 の問いには、自分ならこう答える。

 →多くのヒトと接して

  協力してなにかを成し遂げる。

 (スポーツやBBQでもOK)

 →同調性の高い組織だけでなく、

  多様性のある組織に身をおいてみる。

 (公立学校でもまれる/外国に行く)


逆に、居心地の良い

おひとり様活動(ゲーム・動画視聴

ネットフリックス)ばかりしていると

リアル社会での適用力を損なう懸念がある。

↑依存度によるが、これらはおやつ🍭の

ようなもので、ゴハンとのバランスを整えないと

偏ったモノの過剰摂取はカラダに良くないモノと

認識した方が良い。


〈過去ブログ〉

・絶対なくならない仕事

・8がけ社会

・僕たちの範囲を広げる








 

ナガサキのサキ― 長崎旅行編 ―【特別編】

 

今回、長崎を初めて訪れた。


福岡と長崎を続けて旅行してみて、

ずいぶん性格が違うことに気づいた。






福岡が、

「これから大きくなっていく都市」

だとすれば、

長崎は、

「これまで積み重ねてきた歴史を、

 これからどう生かしていくのか」

という街に見えた。


長崎という「坂の街」


長崎市の人口は約40万人。

福岡市の約167万人と比べると、

都市の規模はかなり違う。


長崎の街を歩いて最初に感じたのが、

「坂の街」ということだ。

・山が海まで迫っている。

・平地が少ない。

そのため、街が平面的に広がるのではなく、

斜面に沿って住宅や建物が広がっている。

★ホテルからの眺め







坂の街が生み出すもの


坂の上に住宅がある。

坂を下れば商店街や中心市街地がある。

そのため、坂の上の住人は

日常生活の中でも坂を移動することになる。

オランダ坂






歴史が街そのものに残っている


そして長崎の最大の特徴は、

やはり歴史だ。


出島から分かるように

ポルトガル人が来航し、

出島にはオランダ人が滞在した。

中国との交流もあった。

そして、長崎港は海外との交易を支える

重要な港として発展してきた。


つまり長崎は、昔から

「海外と日本をつなぐ街」

だった。


造船の街

もう一つ、

長崎を語るうえで外せないのが造船だ。

長崎を歩いていると、

港と造船の存在感を感じる。







長崎の近代化には、

造船業が大きく関わってきた。

明治以降、近代産業の発展とともに

造船所が整備された。

それは三菱重工の聖地であり、

「防衛産業・艦艇建造」という

重大な国防産業を担ってきた。

「ものをつくる街」

としての長崎の歴史もある。



観光都市としての長崎


一方で、現在の長崎を支える

大きな産業の一つが観光だ。

今回、

・出島

・大浦天主堂

・グラバー園

・スタジアムシティ

・平和公園

・稲佐山

などを訪れた。

★出島






★大浦天主堂






★グラバー園






★平和公園








★稲佐山からの夜景







★トルコライス






★ちりんちりんあいす








単純な「観光地」というより、

長崎という街の歴史そのものが

観光資源になっている。

これが長崎の強みだ。



「歴史」が観光資源


長崎の観光には、いくつかの異なるテーマがある。

・海外との交流の歴史

・キリスト教の歴史

・近代化の歴史

・原爆の歴史。

・そして、港町としての歴史

これだけ違うテーマが

一つの都市に存在している。

これは大きな観光資源だ。


長崎そのものが、

一つの歴史博物館のような街だ。



街の暮らし


観光客として歩いていると、

長崎の街はとても魅力的だ。

しかし、暮らすという視点で見ると、

また違った側面が見えてくる。

坂が多い。

買い物やごみ出しにも坂の移動が必要になる。

自転車で走っているヒトはほぼいない。


観光地としての魅力が高いことと、

住民にとって暮らしやすいことは、

必ずしも同じではない。


住民だけではなく、ゴミ収集や

荷物の配達員など、住民サービスには

この街特有の難しさがあることも

忘れてはならない。


長崎の交通


長崎から博多まで鉄道を利用した。

長崎駅から武雄温泉まで西九州新幹線。

そこから在来線に乗り換えて博多へ向かった。

★西九州新幹線かもめ






西九州新幹線が整備されたことで、

長崎と九州の他地域との移動は

以前より便利になった。

ただ、乗り換え(武雄温泉駅)など課題もある。


また港には韓国からきている大きな船舶の

停留を見かけた。

アジアからのアクセスの良さも大きな武器だ。


★韓国からの船舶







長崎のミライ


長崎の未来には

大きく二つの方向があるように思う。


一つは、

「歴史・観光都市としての長崎」

もう一つは、

「港・造船・産業都市としての長崎」

だ。


これらをどう組み合わせるか。

長崎の未来を考えるポイントになる。


観光客が増えても、

そこで暮らす人が減り続ければ、

街を維持することは難しくなる。


だからこそ、

長崎で暮らす人を減らさないこと。

が重要になる。


長崎スタジアムシティ

新しい人の流れを生み出す場所になっている。

歴史的な観光地だけではなく、

駅周辺も含め、「新しい長崎」

をつくろうという流れを感じた。

そこには若者の雇用も生まれ、

地元サポーターという磁力にもつながる。


★スタジアムシティ












★スタジアム内部







福岡とは違う「強さ」


福岡は、人が集まることで、

これからさらに大きくなっていく街。


一方の長崎は、

これまで積み重ねてきた歴史

そのものが価値になっている街。

・福岡には「人」。

・長崎には「歴史」。

そして両方に「アジアとの近さ」がある。


「ナガサキのサキ」は、

 どこへ向かうのか。


人口が減っても、

歴史の価値は減らない。

人が減っても、

街の魅力を失わない方法はある。

それは面白い都市であり続けること。


長崎は「過去の街」ではない。

むしろ、

「過去を資産にして、次の時代をつくる街」

になりうる。


これが、「ナガサキのサキ」に繋がる

羅針盤になると感じた。


<旅行記 過去ブログ>

ハカタのミライ― 福岡旅行編 ―【特別編】

 

シルバーウィークを利用して、

福岡・長崎・太宰府・柳川を旅行してきた。


香港・深圳を訪れたときと同じように、

単なる観光ではなく、

「この街は、

 これからどう発展していくのだろう?」

という視点で、街を歩いてみた。


まずは福岡の街を歩いてみて

感じたことを、少し整理してみたい。






九州の「中心」


福岡市は、2026年時点で人口約167万人。

街を歩いてみると、

人口が増えている都市らしい活気を感じる。


福岡市は4つの区に人口が集中しており、

周辺市町村も多い。

九州の北の玄関口として、

都市機能が集積している。


「九州の中心都市」という言葉だけではなく、

実際に歩いてみても、

人・店・交通が一つの場所に

集まっていることがよく分かる。

★JR博多駅







★天神地区






圧倒的「利便性」


福岡の大きな強みの一つが交通だ。

圧倒的に近い福岡空港。

博多港ターミナルそして博多駅。

空港から都心へのアクセスが抜群によく、

船舶は韓国釜山からの定期運行便。

そして博多駅は新幹線・在来線・私鉄と

交通網が充実している。


アジアからの観光客がとても多い。

福岡は、”九州の中心”であるが、

”アジアから日本へ入ってくる玄関口”

でもある。


この二つの役割を持っていることは、

福岡の大きな強みだ。


都市の「強み」


福岡で感じたのは、

東京や大阪とは

少し違う都市の成長の仕方をしていることだ。


東京・大阪から距離がある一方で、

九州の中では福岡への人の流れが強い。

九州の他県から福岡へ出てくる人も多い。

進学や就職を考えたときに、

「福岡に行く」という

選択肢が若い世代の中で存在感を持っている。


これは都市にとって非常に大きい。

・人が集まれば、店ができる。

・店ができれば、さらに人が集まる。

・仕事が生まれれば、また人が集まる。


こうした好循環を感じた。


★繁栄の中州







「食」の街


そして、福岡といえば食だ。

今回の旅行でも、食のレベルの高さを感じた。

・とんこつラーメン

・鶏料理

・海鮮

 そして、

 その他にもご当地の食べ物がたくさんある。


観光地を訪れるだけではなく、

「食べに行く」こと自体が

福岡を訪れる理由になる。


★ShinShinラーメン






★明太レタス巻(八兵衛)







★水炊き料理










★鯖のごま味噌あえ(八兵衛)







街を歩いて感じた「若さ」


もう一つ印象に残ったのが、

街を歩いている人の若さだった。

・若い人が多い

・ショップにも若い人が多い

・街全体に活気がある


一方で、観光地としては東京や京都ほど

「観光客だらけ」という感じはしなかった。

そこも福岡の面白いところだと思う。

観光都市でありながら、

普通に人が暮らしている都市でもある。


★大名地区でのイベント







★中州屋台の賑わい






★キャナルシティ






糸島という「自然資源」


福岡のもう一つの魅力は、

都市のすぐ近くに自然があることだ。

車で約40分ほど走れば糸島に行くことができる。


今回、糸島を訪れたが、

海や自然の中で過ごすことができる。

マリンスポーツなども楽しめる。

大都市でありながら、

少し移動すれば自然に触れられる。

この距離感は、福岡で暮らす魅力の一つだ。


★桜井二見ケ浦(糸島)






★JA糸島産直市場







街を歩いて気づいたこと


アジアからの訪日客の影響は感じる。

ブランドショップには外国人観光客も多い。

そして、キャナルシティ博多も

今なお多くの外国人で賑わっていた。


ただ、観光客だけに依存しているというより、

地元の人、九州各地から来る人、

国内観光客、アジアからの観光客。

いろいろな人が混ざっている。


この「人の多様性」が

福岡の強さなのかもしれない。


もうひとつ

若いヒトはカップルよりも

友人同士で歩くヒトが多いと思った。


超再開発「天神ビッグバン」


そして、福岡の未来を

考えるうえで気になったのが、

現在進んでいる大規模な街づくりだ。


今回、天神周辺を歩いてみると、

街そのものが

変わろうとしていることを感じた。

天神ビッグバンで天神地区では

大規模な再開発が進んでいる。

そして博多駅周辺でも

「博多コネクティッド」という

再開発が今後進められる計画だ。


もはや福岡は、「今、人が多い街」

というだけではない。


街そのものを作り替えようとしている。

2030年代に入っても、

こうした街の変化は

続いていくのではないかと感じた。


★天神ビックバンの中心エリア






★天神はいまも再開発中







「支店経済」の次へ


福岡はこれまで、

九州における大企業の支店経済の

中心として発展してきた。

しかし、

これからは少し違う形になるのではないか。


今回、感じた福岡の可能性は、

① 九州各県からの人の流入

 九州の他県から、

 進学・就職・買い物・観光などで

 人が福岡に集まる。

② アジアからの人の流入

 韓国や中国など、

 アジアとの近さを生かして

 外国人観光客が入ってくる。


 この二つの「人の流れ」を持っていることは、

 支店経済ではなく、自力で磁力をもつ

 都市として変貌をしていく。



人・モノ・カネが集まる街


香港でも感じたが、

都市が成長するためには、

人が必要だ。

人が集まれば、

モノが動く。

モノが動けば、

お金も動く。


そして、お金が動けば、

金融や新しいビジネスも生まれる。


ハカタのミライ


日本全体では、これから人口減少が進んでいく。

・九州の中心

・アジアへの玄関口

・若い人が集まる街

・食の街

・自然にも近い街

 そして、これからも続く都市開発。


今回、実際に福岡を歩いてみて、

東京・大阪に次ぐ、

10年後に発展する都市の筆頭と感じた。


「ハカタのミライ」は、

まだまだ面白くなりそうだ。


<旅行記 過去ブログ>


2026年9月19日土曜日

えんやす村のおはなし

──お金・外貨・借金の本質を考える


ここは100人の村。

その名も「えんやす村」。

村人たちは温厚で勤勉。


20年前までは、自動車やラジカセをせっせと作り、

「Made in E」の製品は、

他の村で飛ぶように売れていました。


ところが、この村には困ったことがあります。

石油もLNGも小麦も、あまり採れない。

そこで、必要なものを他の村から買っています。



となりの大きな町「どるだか町」


えんやす村の隣には、

「どるだか町」という、

とても大きな町があります。

町長は、ときどき他の村にちょっかいを出したり、

派手な発言をしたりします。


それでも、町の経済力は圧倒的。

世界中の村が、

どるだか町の動向を気にしています。


えんやす村も、昔はどるだか町に自動車や

電化製品をたくさん売っていました。


その結果、どるだか町のお金を

たくさん持つようになりました。


ところが、、

最近は事情が変わりました。

えんやす村と同じような製品を、

他の村でも作れるようになったからです。


以前ほど、えんやす村の製品は売れません。



円安という問題


えんやす村とどるだか町では、

それぞれ別のお金を使っています。

その交換レートは変動制です。


昔は、

えんやす村のお金100円

=どるだか町のお金1ドル

くらいだったとします。


ところが今は、

200円=1ドルになりました。


つまり、

えんやす村のお金の価値が、

どるだか町のお金に対して

半分になってしまいました。


いわゆる「円安」です。


すると何が起きるのでしょうか。



Dphoneが高くなる


どるだか町で作られた

スマホ「Dphone」は、えんやす村でも大人気。

昔は10円だったDphoneが、

今では20円必要になりました。


どるだか町へ旅行するにも、

以前の2倍のお金が必要です。


もうひとつ困ったことがあります。

えんやす村は、石油やLNG、

小麦などを海外から買っています。


円の価値が下がれば、

輸入するために必要なお金が増える。


その結果、

パンも、電気も、ガソリンも高くなる。


つまり円安は、

「外国の商品が高くなる」

だけではありません。


輸入に頼っている国では、

国内の生活コストまで押し上げてしまう。



外貨とは何なのか?


ここで少し考えてみます。

「外貨って、いったい何なのだろう?」


えんやす村がどるだか町のお金を持っている。

これは単なる紙切れを

持っているわけではありません。


そのお金を使えば、

どるだか町の人が作った商品を買える。

サービスを受けられる。

企業を買うこともできる。


つまり外貨とは、

「外国の人たちが生み出す商品・

 サービス・資産にアクセスするための権利」

と考えることができます。


ここが大切です。

お金の向こうには人がいる

1ドル札を見ているだけでは、

「ただのお金」に見えます。


しかし、その1ドルで

スマホを買える。

旅行ができる。

サービスを受けられる。


なぜでしょう?


その裏側で、

どるだか町の人が働いているからです。


だから、

外貨を持つということは、

外国の人々が生み出す価値に

対する請求権を持つこと

とも言えます。


逆に言えば、

えんやす村が外国から

モノを買い続けるだけでは、

外貨はどんどん流出していきます。


だからえんやす村は、

自動車

半導体

精密機械

食品

観光

コンテンツ

文化

など、

「外国の人がお金を払ってでも欲しいもの」

を作り続けなければなりません。


結局、国の強さとは、

お金をたくさん持っていることではない。

「外国の人に何を提供できるか」

なのです。


えんやす村の

「借金」はどうなのか?


ここで、えんやす村の財政を見てみます。

・村の借金(国債):1,200万円

・どるだか村のお金(外貨):300万円

・村人たちの貯蓄:2,600万円


一見すると、

「借金1,200万円もある。大丈夫なのか?」

と思います。


しかし、

誰から借りているのか?

を見る必要があります。


もし1,200万円の国債を、

ほとんど村人自身が持っていたら、


村の中では、

「政府の借金」=「村人の金融資産」

でもあります。


政府から見れば負債。

村人から見れば資産。


だから単純に、

「国の借金=国民全体の借金」

と考えるのは少し違います。



「国内で持っていれば

 絶対安心」ではない


ここは注意が必要です。


国債を村人が持っているからといって、

何をしても大丈夫

というわけではありません。


国債が増えすぎれば、

・利払い費が増える

・金利上昇の影響を受ける

・民間への資金供給を圧迫する

・インフレにつながる可能性がある

などの問題が出てきます。


そして、もっと重要なのが、

「村全体で、何を生産できるのか」

です。


紙のお金や国債をいくら増やしても、

パンを作る人がいなければパンは増えません。

電気を作る人がいなければ電気も増えません。



2040年のえんやす村


そして、ここで「8がけ社会」が登場します。


現在100人いる村人が、

2040年には80人になってしまいました。

働く人も減りました。


パンを作る人も、

家を建てる人も、

介護をする人も、

道路を直す人も、

20%減っています。


さて。

この村で、

国債が5倍なったらどうなるでしょう?


借金は雪だるま式に増えていき、

その分利払いも増えるので、

村の税収の多くを利払いに充てる

ことになります。

それでは成り立たないので

村の予算を増やし、国債も増やしていきます


インフレは加速していきます。


ただお金(金融)だけをみていると

問題の本質は見えてきません。


紙の上では、お金は増えます。

しかし、

人間は増えません。

これが8がけ社会の怖さです。



本当の国の財産とは何か


ここで、えんやす村の財産を考えてみます。

国債でしょうか。

現金でしょうか。

外貨でしょうか。


もちろん、それらも重要です。


でも、本当の意味で村を支えているのは、

村人が持っている技術や知識。

働く能力。

企業が生み出す製品。

インフラ。

教育。

信頼。


そして、

「他の村からお金を払ってでも欲しい」

と思われる価値。

なのではないでしょうか。



えんやす村が目指すべきこと


100人の村が80人になる。

これは避けられない。

だったら、

80人で100人分の価値を生み出す。


あるいは、

80人だからこそ生み出せる価値を考える。


そして、これからは、

「人が減っても社会を回せる仕組み」

そのものも輸出できるかもしれません。



えんやす村から学ぶこと


この小さな村の話から、

3つのことを考えました。


①円安は「日本の価値」が問われる現象

円安になると輸入品は高くなる。

しかし、それだけではありません。

「外国の人が日本の商品やサービスに

 どれだけ価値を感じるのか」

という問題でもあります。


②国の借金は「誰から借りているか」が重要

政府の借金を見るとき、

金額だけを見るのではなく、

誰が国債を持っているのか。

を見る必要があります。

国内で循環している借金と、

外国に対する債務では意味が違います。


ただし、

国内保有だから無条件に安全

という話でもありません。


③8がけ社会では

「稼ぐ力」がますます重要になる

人口が100人から80人になる。

だったら、

一人ひとりが生み出す価値を高める。

そして、

外国から必要なものを買えるだけの

稼ぐ力を維持する。


これが、国を「壊れにくくする」

ために必要なのだと思います。


お金の向こうには人がいる

・1万円札の向こうには、

 そのお金を受け取る人がいる。

・国債の向こうには、

 それを持っている人がいる。

・外貨の向こうには、

 その国で働く人がいる。

 

そして円安の向こうにも、

日本と外国の人々が、何を作り、

何を交換するのかという現実がある。


結局、

お金だけを見ていても、

経済の本質は見えてこない。


その向こう側で、

誰が働き、

何を作り、

誰がそれを必要としているのか。

そこまで考えてみる。


それが、

「お金の向こうに人がいる」

ということを伝えるお話しでした。😉