2026年3月22日日曜日

読んで良かったゼ本[2026その1]


最近読んで良かった本を紹介!










お金のむこうに人がいる(田内学)


私たちは”自分のお金”に一喜一憂するが、

お金そのものは食べられないし、家も建てない。

 お金を払うという行為の向こう側には、

必ず「誰かの労働」がある。


☆この本はスゴく刺さった。

「自分さえ良ければ」という感覚から、

「良い社会を次世代に贈る」という

 視点の転向を与えてくれた。

 お金の向こう側という

 これからの経済の本質を考える。

 ぜひ読むべき1冊。

   



2030年 来るべき世界

 (エマニュエル・トッド)


 2030年に向けて、世界は

 イデオロギーの対立ではなく、

 より深い「文化の型」の衝突へと向かう。

  現状のニュースを追うだけでは見えない

「底流」を知ること。 


☆すごく洞察の深い一冊。

 「西洋の敗北」も良かったが

 彼の人類学的な視点は欠かせない

 他と違う「思考の物差し」となる。 









「頭がいい」とは何か?(勅使河原真衣)


「頭の良さ」を個人のスペック(スキル)として

 捉える時代は終わった。 

 著者が説くのは、

 これからは計算が速い、知識が多いといった

「出力の効率」を競うのではなく、

 周囲との関係性の中で

 機能する「知性」の在り方

 がより重要になる。 

 みんなちょっとずつ「頭が悪い」ところ

 認め合い、問いを手放さずに

 生きていける社会を目指すこと。 


☆良い指南を与えてくれる1冊。









木挽町の仇討ち(永井紗耶子)


 江戸時代の仇討ちをテーマにした

 連作短編集。 

 真相を追う中で見えてくるのは、

 登場人物たちの徹底した

 「所作」と「身の処し方」だ。


☆最後まで真相がわからない

 現代人が失いつつある

 「筋を通す」という生き方の美しさ

 を教えてくれる。









生きる言葉(俵万智)


 日常の何気ない風景を、

 これほどまでに鮮やかに、

 かつ深く切り取れるものか。 

 俵氏の言葉は、説明(スキル)ではなく、

 共鳴(センス)を呼び起こす。 


☆言葉の「鮮度」と「誠実さ」を

 問い直させてくれる、

 俵さんの短歌をベースにした

「生きるための言葉」たちは美しい。 

 



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2026年3月14日土曜日

中東という新たな変数【特別編】


アメリカとイスラエルは、

中東情勢の緊迫化という、

予測困難な「新たな変数」を世界に提示した。


この事態は、かつてのベネズエラ情勢と比較しても、

はるかに複雑で根が深い。


中東全体が真の安定を取り戻すには、

短期間の停戦では足らず、

最低でも数年単位の歳月が必要となるだろう。


<1970年代の再来>

現在、戦争そのものは

中東諸国での局所的な衝突に留まっている。

しかし、我々が注視すべきは戦火の範囲ではない。

「ホルムズ海峡」という、世界経済の頸動脈が

いつまで閉鎖されるかだ。


いまなお化石燃料に依存する我々は、

50年前の1970年代と同じ、

エネルギー供給の脆弱性という問題に再び直面している。


世界経済の命運は、石油タンカーが

この海峡を安全に航行できるか否か、

その一点にかかっていると言っても過言ではない。


この「航路の安全」という余白が確保されて初めて、

世界の金融市場は正常化への軌道に乗るはずだ。



<内憂疾患と外交の「利用」>

なぜ、いまこのタイミングなのか。

トランプ大統領の動きを俯瞰すると、

一つの仮説が浮かび上がる。

彼は、国内のスキャンダルや深刻な「内憂疾患」から

国民の目を背けさせたいのではないか。


2026年後半に控える中間選挙への

「実績づくり」という強い意識が、

彼を外交的な強硬姿勢へと突き動かしている。


国内問題が紛糾すればするほど、

有権者の視線を外に向けるための

「関与」はしばらく続くだろう。


「貯金」で食いつなぐ米国の強さ

現在のアメリカ経済の強靭さは、

前政権までの蓄積(貯金)が

良い作用を及ぼしているに過ぎない。

だが、その貯金を使い果たし、

外交的なギャンブルに失敗したとき、

深刻な反動は一気にやってくる。


モラリストの直近の見方はこうだ。

基本的には数ヶ月後には、

一旦前の水準(均衡点)に戻る。

しかし、それは「解決」ではなく、

単なる「先送り」に過ぎない。


【個人としてはどうあるべきか?】

それは壊れにくい体質を目指すことだ。

「勝ちにいく人が壊れ、耐えた人が次で勝つ」


NISA一辺倒ではなく、

現金・米国債・金ゴールド・不動産

変額保険による積立などに分散しておくこと。


高利回りばかりに目がいきがちだが、

ポートフォリオ安定化の方が大切だ。

「たまごをひとつのかごに盛るな」

が金言である。


〈過去ブログ)

私たちはなにを望むか

個人のレジリエンス

この急落は【臨時編】



2026年3月7日土曜日

美意識は公共の利益か


私たちは通常、

自分の部屋を片付けることや、

身なりを整えることを

「個人の自由」だと考えている。

誰に迷惑をかけているわけでもない。

自分が良ければそれでいい。


しかし、本当にそうだろうか。


個人の美意識は決して

閉じた空間で完結するものではない。

それは周囲に伝播し、

やがて「社会の規範」や「公共の空気」

を形作る種火となっている。



1. スキルとしての「整頓」、

 センスとしての「美意識」


以前の記事で触れた「スキルとセンス

の対比をここでも用いるなら、

片付けや身だしなみは、

手順を知れば誰でもできる「スキル」の領域だ。


しかし、そこにどのような哲学を込めるか、

どのような調和を求めるかは、

その人の「センス(美意識)」に委ねられている。


美意識とは、

単に高価なものを所有することや、

流行を追うことではない。

それは、自分自身と、

自分を取り巻く世界に対して

「誠実であること」の指標ともいえる。


2. 「割れ窓理論」の逆転的発想

犯罪心理学に

「割れ窓理論(Broken Windows Theory)」

 がある。

一枚の割れた窓ガラスを放置しておくと、

その建物全体、

さらには地域全体が荒廃していくという理論だ。

これは、人間の心理がいかに

「周囲の秩序」に依存しているかを物語っている。


これを逆転させて考えれば、

一人の人間が、

自分自身の周囲を「美しく整えること」は

社会に対する最も静かで、

かつ強力な貢献になり得るということだ。


公共の場で、誰に見られていなくてもゴミを拾う。

自分の持ち物を丁寧に手入れして使う。


これらの行為は、

一見すると自己満足に見えるかもしれない。

しかし、その「佇まい」を見た他者の心には、

無意識のうちに「規律」や

「美しさへの敬意」が芽生える。


個人の美意識の集積こそが、

殺伐とした現代社会を繋ぎ止める

”見えない公共インフラ”を作り出す。

都市部に再開発で建てられた施設は

単なるハコモノで、

その中で活動する人々の意識こそが

真なる価値と言える。


3. 生成AI時代の「肉体を持った美意識」

現代は、生成AIがあらゆる

「正解」を提示してくれる時代だ。

論理的な最適解、効率的なスケジュール、

さらには平均的な美しさまでもが、

計算によって導き出される。


しかし、AIには決して持ち得ないものがある。

それが「身体性を伴う美意識」だ。


画面の中の文字や画像に美しさを

感じることはできるが、

それは「責任」を伴わない。

一方で、

私たちが現実の世界で自分の部屋を整え、

所作を美しく保つことには、

相応のエネルギーと時間がかかる。


自分の欲望を優先させるのではなく、

周囲との調和を優先させて自分の在り方を律する。

この「自律」というプロセスこそが、

人間が社会の一員として果たすべき、

最も高貴な役割の一つだと言える。


4. 40代から意識する「贈与としての美」

20代の頃の美意識は、

自己顕示のための「武装」だったかもしれない。

自分をより良く見せたい、

他者と差別化したいという欲望だ。

しかし、40代となった今思うのは、

美意識は他者への「贈与」へと

変化していくべきではないか。と考える。


例えば、

打ち合わせに清潔感のある服装で臨むことは、

相手の時間と存在に対する敬意の表明。


丁寧に整えられた文章を書くことは、

他者への敬意だ。


美しい所作で食事をすることは、

その場を共有する人々に安心感を与える。


自分のために美しくあるのではなく、

他者が心地よくあるために自分を整える。


この視点の転換こそが、

単なる「こだわり」を

「教養」や「美意識」へと変える。


5. 小さな規律が世界を救う


「社会を良くしたい」と

大上段に構える必要はない。

まずは、自分のデスクの上を整える。

靴の踵を揃える。

言葉遣いから、乱暴な響きを削ぎ落とす。


これらの小さな「個」の規律が、

家庭を変え、職場を変え、

巡り巡ってこの社会の規範を底上げしていく。


結び

美意識は、決して贅沢品ではない。

それは、私たちが人間として、他者と共に、

より良く生きていくための「生存戦略」であり、

社会への「祈り」でもある。


「個」の佇まいが「公」の質を決める



<過去ブログ>

所作【心構え】

クラックから光は注ぐ




2026年2月28日土曜日

15年後の未来


2040年を想像してみる🔍


友👨:「ことしの漢字は”支”だったネ。」


モ🧔🏻‍♂️:「慢性的な人手不足の中で

    “みんなで社会を支えよう”が

    政府のスローガンだもんね。

    5年前ってスーパーっていろんな

    商品並んでたじゃない?

    いまってメーカー納品待ちって

    札があって、ガラガラな棚もある」


友👨:「ネット注文しても1週間待ちはざらで、

    生産側と配送側のどっちかの都合で

    納品待ちが多いネ。

    種類も減ったし、ぜんぶ値段も高い。 」


モ🧔🏻‍♂️:「うん。継続的なインフレの影響もあって

    自販機の缶コーヒーは330円だもんね。

    インフレと人手不足は空気みたいに

    当たり前に受容される社会になったね。

    政府も

    ”生産に協力して所得を増やそう”

    ”働いて社会を支えよう”って推奨して、

    食/医療に関わるエッセンシャルワーカー

    への人員配置の推進してる。」


友👨:「80歳以上でも働いているヒト多いし、

    60歳定年は”人生1周目完了”になって 

    そこからは2周目みたいな扱い。

    働きたい人は人体情報(ウェアラブル)で

    異常がでてなければ、

    働いてOKと方針転換したネ。

    残業規制とかもはや昔のレガシー扱い。」


モ🧔🏻‍♂️:「うん。社会を支えるって美徳だけど、

    実際は大半のヒトは働き続けないと

    インフレに生活が追いつけないのが

    内情ダヨネ。

    高齢になっても

    生活道路の配達ドライバー、

    建設・介護・医療分野とか

    定型じゃない仕事は

    まだまだあるからね。」


友👨:「交通機関は自動運転になったけど

    主要都市以外は便数が減って、

    地方は特に不便が多いみたい。

    両親がデイケアサービスが

      “週3から週2になった”

    って嘆いていたヨ」


モ🧔🏻‍♂️:「あーウチの孫も学校の授業は

    基本は全国一律のオンライン。

    先生は3クラスの担任

    受け持っているらしいヨ。

    多分みんなの名前覚えてないって

    笑ってた」


友👨:「教員の全体数も減ってるもんね。

    病院でも、地方と都市部の

    医療格差は埋めようがない。

    でも急病の時に、

    近くに救急受付病院がないのは

    寿命格差につながるよね。」


モ🧔🏻‍♂️:「インフラやサービスが維持されてる

    都市部にみんな住みたいけど、

    住宅価格は高いし、生活費も高い。」 


友👨:「友人が数少ない売り出し中の

    マンション見に行ったら、

    3LDKで1億8000万で

    都市部でのマンション所有は無理ゲー。

    賃貸で一生過ごすって言ってたヨ。」


モ🧔🏻‍♂️:「なんかさー

    15年前はコンビニやAmazon無料配送が

    当たり前にあって、どこに住んでも

    みんなそこそこ便利な暮らししてたじゃん

    いまの地方の生活って、

    医者や経営者などの地方有力者でさえ

    不便な暮らしをしてるように見える。」


友👨:「結局、お金を持っていても、

    周辺環境が整ってないと

    クオリティ・オブ・ライフは

    維持できないんだよね。

    だから、家賃が高くても都市部の賃貸に

    住むヒトは多いよね。」


モ🧔🏻‍♂️:「最寄りのスーパーにパン🍞がなければ

    財布にお金がたくさんあっても

    意味がないってことだネ。」

   


 ”8がけ社会”になっていく2040年。

 周辺環境の格差が広がる未来を想像してみた。


 みんなが住むエリアを

 自由に選べるわけでないが、

 8がけ社会では

 特に地方で働き手不足が顕著になり、

 今あるロードサイド店舗の多くは

 淘汰されている。

 ただ、その中でもイオンモール周辺は

 生き残る側ではないだろうかと思う。


 イオンは地方都市で、インフラ的存在で

 これからはさらに際立っていくハズだ。

 

 自分が地方で不動産を検討するなら、

 そういう視点で物件を選定する。


<過去ブログ>

8がけ社会

10年後のお話




2026年2月21日土曜日

「余白」が思考を深化させる


水墨画や茶の湯の世界には、

意図的に何も描かない、

何もしない空間や時間としての「余白」がある。


この余白こそが思考の質を決定づける。


情報が絶え間なく脳に流れ込んでいる状態では、

私たちは「反応」しているだけで

「思考」をしていない。


「Aというニュースが出たから、Bと反応する」

「SNSでCが流行っているから、Dと投稿する」

そこには、

自分自身の内側から湧きあがる独自の視点や、

深い納得感は介在しにくい。


あえて効率の悪いこと、

つまり「時間の浪費」を自分に許したとき、

脳は情報の処理から解放され、

自由な連想を始める。


「なぜ自分はあの時、あんな風に感じたのか」

「この社会の仕組みの根底には、何があるのか」

こうした抽象度の高い問いは、

情報の激流の中では決して生まれない。

静かな、淀んだような時間の余白の中でこそ、

思考は深く沈殿し、やがて結晶化する。


40代からの「時間の作法」

私たちは、全ての情報を

追いかけることはできないし、

全ての効率化競争に勝ち続けることもできない。

だからこそ、

「時間の作法」を再定義する必要がある。


それは「速さ」を競うのではなく、

「深さ」を味わうこと。

「アナログな不便さ」を生活に取り入れてみる。

100の情報を浅く知るよりも、

1つの事象に対して、

100の時間をかけて向き合うこと。


「スキル」として時間を管理するのではなく、

「センス」として時間を享受する。


効率化によって生み出した時間を、

さらなる効率化のために使うのではなく、

自分を豊かにするための

「良質な無駄」に投資する。


2月は自分的に守りの時期なので、

自分のインドア生活を肯定して考えてみた。