2026年5月2日土曜日

金融都市”香港”

 

先日、香港・マカオ・そして深圳に

単身旅行してきた。








なぜ中国への旅行を選んだのか?

[歴史]

香港は、かつて世界で最も自由な市場だった。

限られた土地の特性だが、人口は密集し、

中国本土との窓口を一手に担い、

資本は世界中から流れ込んだ。

1997年中国に返還されてからも

金融都市としての位置づけはアジアNo1だ。


一方、深圳はまったく逆だ。

1980年代初頭、深圳はわずか3万人の漁村だった。

鄧小平が経済特区に指定してから、

わずか40年でこの街は人口1,800万人の

巨大都市へと変貌した。

TencentやHuawei、BYD、DJIなど

世界的企業の本社があり、一大製造拠点だ。


そしてマカオ。

16世紀、ポルトガル人が築いた

東洋最古のヨーロッパ植民都市。

1999年に中国へ返還されるまで、

442年間にわたり異文化が

交錯し続ける場所となった。

いまではラスベガスを超える

世界的なカジノの街に成長した。


この3つの都市は隣接しており、

広州の他9都市を含めて

粤港澳大湾区

(Guangdong-Hong Kong-Macao Greater Bay Area)」

-えつこうおうだいわんく-

という経済圏を形勢している。

(GDP350兆円の巨大経済圏)


この3大都市圏に

2040年の日本を考えるヒントがある。

それを間近で観るのが目的だ。


<香港はこんなところ🔍>

香港は2047年まで一国二制度が維持される。


西側諸国の一員だったので、

GoogleなどのGAFAM系アプリや

VISA・マスターもそのまま使える。

ahamoもそのまま設定なしで使えた😄



香港島には中環(セントラル)を中心とした

巨大な高層ビルがあり、

代表的な金融機関は【HSBC】だ。



【HSBC】

* 香港最大・最重要の銀行

* 1865年に香港で創業

* 世界中にネットワークを持つグローバル銀行

👉 香港ドル紙幣の発行銀行の一つ

その他、

【Bank of China (Hong Kong)】

* 中国系の巨大銀行

* 香港ドル紙幣の発行銀行の一つ

* 中国本土とのビジネスに強い

👉 中国経済との結びつきが非常に強い


香港の強みは

世界と中国をつなぐ金融ハブであること。

中国との“唯一無二の窓口”だ。

また税制の優位性で

* キャピタルゲイン税:基本なし

* 配当税:低い or なし

* 法人税:低税率

👉富裕層が多く住む街















地政学上はアジアの中心に位置し、

港湾・航空のハブでもあり、

ライバルはシンガポールだ。


⭐︎実際歩いてみて⭐︎

九龍半島と香港島を電車や船で密接につなげ、

たくさんのヒトが行き来している。









ローカル物販・飲食店・多様な中国料理が

世界の観光客を惹きつける。



















住宅費は半端ない。

平地がほぼなく土地に限りがあるので、

供給数がかなり少ない。

(賃貸40〜60万/月。30平米でも1億超はざら)











なので、香港居住者の約45%のヒトは

公営住宅に住む。

但し、こちらも入居には厳しい条件がある。

* 所得制限・資産制限あり・香港居住資格


👉これは東京の住宅問題の参考になる

 富裕層以外にも、そこで働くヒトは

 近くに住む必要があるからだ。


香港の強みは

オバチャンが活躍していること

・飲食店や販売店

・パブリックエリアの清掃

どこをみてもオバチャンが活躍している

👉オバちゃんが人的資本の底力だ。








九龍半島側の商業地域

ネイザンロードは

世界中のブランドが並び、華やかだが、

一歩外れるとビルはボロボロで、

ビルから飛び出したエアコン室外機の

結露水がポタポタ歩道に落ちている。









ただ、治安は良く、

夜中でも女性1人でも結構歩いている。

パトカーもほとんど見かけなかった












日本のように、

四季折々の自然を感じる場所が

近くにないので、買い物/食が

人々の生活の楽しみの中心のようだ。

豪華なショッピングモールが

あちこちにある。











有名なビクトリアパークの夜景は

香港の繁栄を幻想的に映し出す。

しかし、昼間に街を歩くと

ごちゃごちゃ感/いろんな匂いが立ち込める。


都市はあちこち老朽化しているが

香港にはヒトが集まりつづけ、

オバちゃんが元気に働き、

活気が生まれ続けている。

住宅価格が高くても、

街に巧みに適応している香港市民






























いまは不動産不況と言われる

中国本土だか、14億人の潜在力は健在だ。

香港はまだまだ発展する。


東京が本気で金融国際都市を目指すなら

香港・シンガポールと

互角に戦える税制を整備しないと

アジアの金融中心は香港・シンガポール

が今後も繁栄するだろう。🧐


次回は中国本土"深圳"を紹介


2026年4月25日土曜日

ナフサのディストピア


2026年夏、危機は顕在化する。

この物語を創造してみる。


ープロローグ-

34km。

最も海峡が狭いホルムズ海峡の幅だ。


ここを世界の2割の原油タンカーが往来し、

アメリカとイランによる

実質的な閉鎖が世界を不安定にさせた。


中東危機における世界の揺れ方は、

それぞれの国がもつ富と備蓄と

交渉力によって大きく異なる。


日本はいまのところ 備蓄もあり、

社会不安は落ち着いているが、

2026年7月以降も続いた場合、

より深刻な状況になることが見えてきた。🔍


第1章-アジアの亀裂-


中東原油の依存度が高いアジアでは

原油枯渇が現実の危機として迫っている。


一部の国では休校やエネルギー制限を

既に実施している。


・肥料を含む化学製品の高騰

・農作物の収穫期にガソリン不足により機械停止

・農業用水を送るポンプの停止

今年の収穫・来年の作付けは

厳しい状況となる。


深刻な食料危機に迎え、

国際市場で原油やナフサ高騰は

アメリカ・イスラエルへの心理的な憎悪と

札束でかっさらう先進国への不満で

世界の亀裂はより大きくなる。

理不尽な仕打ちを受けた国は

将来、テロ組織の温床となる。


第2章-国内生産現場の疲弊-


<医療>

日本ではナフサ不足が医療用品に

打撃を与える。使い捨ての注射器や

点滴バック・防護服が不足し、

政府は限られたナフサ由来を優先的に

医療関連に回すが、不要不急の治療は

見合わせることを求められる。


<建設>

全国の工務店がルーフィング・断熱材

塩ビ管が入手できず、屋根工事や

仕上げ工事が止まり、未完成のまま

夏を迎える。

資材高騰による実行予算の悪化

工事遅延による入金時期の後ずれが

同時進行し、事業継続困難な

中小工務店が多数発生する



第3章-消えゆく当たり前の暮らし-


消費行動にも変容が現れる。

スーパーの棚から商品の一部が消える。

 

・ペットボトル用品は30%以上値上げ

・詰め替え商品の推奨

・備蓄も兼ねて大容量商品の拡大

・スーパーでも包装用ビニールの

 一部は新聞紙となる。


紙おむつも品薄となり、

SNSではゴミ袋が品薄と騒がれる。

フードコートでは容器持ち込み50円引き

など展開される。


スタグフレーションの状況で

衣食住に絡むコストは5~10%上昇し、

35度を超える酷暑の中、

消費は冷え込む。


第4章-世界のナフサ争奪戦-


国際的な資源買い付け競争は

これまにないほど激化する。

資金力のある国が

外貨準備高にモノを言わせて、

弱い国を押しのけて、

原油・ナフサを買い付ける。



第5章-中国支持の台頭-


原油・ナフサを国際市場で

買い負ける中東アフリカ諸国に

中国は手を差し伸べる。

ロシア産原油を武器に、

苦境に立たされる貧しい国に

資源外交を繰り広げ、

一帯一路計画が再び動き出す。


この危機自体がアメリカ・イスラエルという

西側諸国が仕掛けた戦争が引き金なので、

なにもしなくても、地滑り的に

中国支持が高まる。


第6章-熱狂なき株高- 


中東緊迫による経済の減速は免れない。

建設/食品では原材料不足により、

生産調整を余儀なくされる。


”本意ではない売上減”が各社高まる。

ただ受注残は積みあがるので、

株価は不思議ななど、下がらない。


経済減速でもAI半導体を中心に

株価維持され、緩やかに上昇を続ける。

 


第7章-緩やかな中東依存からの脱却- 


悪いことばかりではない。

中東の原油・ナフサに依存している

地政学リスクからの脱却には

オイル由来を紙や段ボールに置き換える

技術開発やEV普及の促進効果もある。

短期的にはコストの代償を払うが

環境負荷を減らす流れは

長期的にはプラスとなる。



第8章-世界はより多軸に- 


最近は中国🇨🇳の方が政策がまともと思える。

地政学的に合理的な判断を下しているからだ。

誰が国家主席でも、いまの施策を

突き進めると理解できる。

他方、アメリカは内憂疾患が酷すぎて

もはやメンヘラジャイアンの様相だ。


というわけで、

GW前半に中国🇨🇳 (香港・深圳)を

単身旅行してくる


朝貢時代のように、礼節をもって

隣人と接すれば、メディアが言うほど

悪い国ではないと最近思ってるので

この目で確かめたい。👀




2026年4月18日土曜日

壊れにくい資産とは


私たちは、

「資産を増やせば未来は守られる」

と信じた世界で生きている。


新NISA、投資信託、不動産、現金。


しかし、2040年に向かう「8がけ社会」

将来への安心は

それだけでは得られない。


その理由は

お金の向こう側には、

必ず“人の労働”があるからだ。


例えばパンを買うとき、

私たちは200円を支払う。

だが、パンそのものは

お金から生まれたわけではない。


小麦を育てた農家

深夜に走る配送ドライバー

店頭に並べるスタッフ


その労働の積み重ねが、

私たちの生活を支えている。


しかし「8がけ社会」では

人口が減り、働く人が減り、

サービスを提供する側が細っていく。


金という“交換券”はあっても、

交換してくれる相手がいない。


この構造が、私たちの問題だ。


そんな時代に

「壊れにくい資産とは何か」  

を問い直してみる。


壊れにくい資産とは、

単に価格が下がりにくいものではない。


未来の労働を確保できる資産のことだ。


人間関係はなにより大切な資産だ。

困ったときに助けてくれる

友人、家族、地域のつながり。


これは、貨幣では買えない

“自分を守るネットワーク”であり、

お金よりも壊れにくい。


次に掲げるスキルや健康も壊れにくい資産だ。

自分が働けるということは、

「自分自身が未来の労働力を持っている」

ということだ


そして、モラリストは3つ目に

不動産を挙げる。

家賃とは、

未来の誰かが「住む」という行為を通じて

提供される対価だ。


生活圏の価値が高い場所は、

そこに人が集まり、働き、暮らし続ける。

未来の労働が集まり続ける場所である。


こうして見ていくと、

壊れにくい資産とは、

未来の労働を生み続ける仕組み  

とわかる。


逆に、壊れやすい資産とは何か。

それは、数字だけが増えていく資産だ。


株価、仮想通貨。

これらは実体経済とは異なり、

共同幻想の世界だ。

期待値という風船が破裂した瞬間、

数値は大きく損なわれるので、

全ツッコミはすべきではないと思う。


これからの時代、

私たちが守るべきは数字ではなく、

「人が動き続ける場所」

「人が助け合う関係」

「人が働き続ける仕組み」  

である。


「お金の向こうに人がいる。」


その当たり前の事実を忘れないとき、

実態経済に目を配り、

私たちは“壊れにくい未来”

を選び取ることができる。




2026年4月11日土曜日

外部環境に左右されない「充足」の作法


前回の記事で、

ガソリンを例に「価格」と「価値」の

違いを考えた。


140円/Lの時も、180円/Lの時も、

クルマを同じ距離を走らせるという

「価値(効用)」は変わらない。


変わったのは、

外部の情勢が決定した「値段」という数字だけだ。


私たちの現代社会は外部環境という

”相場”の世界で生きている。

・物価の上昇

・株式の時価総額

・繁忙期で値段が変わる

 チケットや宿泊料金

 →ダイナミックプライシング

それらに振り回され、

自分の幸福感も外部環境に大きく

依存してしまっている。


他者目線の価値観が強くなると、

「高いモノを身につけたり、所有して

 自分を大きく見せる」

「休日はどこかに出かけて

 SNSでキラキラ生活の投稿」

自分が自ら欲するものではないもので

埋め尽くされてしまう。



①「高燃費な生き方」を模索する

高燃費な生き方とは少ない外部コストで、

最大限の「生の実感(価値)」を

引き出すセンスの領域と言える


例えば、

・丁寧に淹れた一杯のお茶。

・夕暮れ時に、空の色が刻一刻と

 変わるのを眺める数分間

・お気に入りの万年筆で日記を綴る所作


これらにかかる「価格」はそんなに大きくない。

しかし、そこから得られる充足という名の

「価値」は、私たちを高い場所へと

引き上げてくれる。


外部の相場がどれほど高騰しようとも、

自分を満足させる方法を

「自分自身の内側」に持っている人は強い。


② 外部の「価格」に、内なる「価値」を渡さない

ネット証券の評価額に一喜一憂し、

中東情勢のニュースに心を乱す。

それは、自分の心のハンドルを

「外部の価格」に預けてしまっている状態だ。


スキル: 効率的に資産を増やし、流行を追うこと。

センス: どんな環境下でも、平凡な日常に

     価値を見出し、機嫌よく生きること。



ガソリンの値段は、

自分ではコントロールできない。

だが、そのガソリンを使って

「どこへ行き、何を感じるか」は

いつだって自分次第である。

 


2026年4月4日土曜日

値段(価格)と価値(効用)の違い

 

前回のブログ

椅子を奪い合うか、椅子を守り抜くか」の中で、

値段と価値の違いに触れた。

今回はここをもう少し深掘りしてみたい。


田内学氏の著書『お金の向こうに人がいる』では、

本質的な問いが投げかけられている。

「日本のお金全体は増えていない。

  富は移動しているだけだ」と。


お金は、主に3つの財布の間を

移動しているに過ぎない。

① 個人の財布

② 企業の財布

③ 国の財布


「国の借金が膨大だ」というニュースが流れるが、

誰かの借金は、必ず別の誰かに払ったから

借金になっている。利子も誰かに払っている。

国が借金を増やした分、

私たちの銀行口座の数字(資産)も増えている。

具体的には

①国の借金(国債): 約1,200〜1,300兆円

②家計の貯蓄(個人): 約2,100兆円

③企業の内部留保: 約1,300兆円


数字が移動しているだけで、

実態としての「富」が

消えてなくなったわけではない。


1 「日経平均5万円」の正体

鋭い方はこう指摘するだろう。

「日経平均が5万円を超え、

世界の時価総額は増え続けている。

富は増えているじゃないか」と


ここに、「値段(価格)」と「価値(効用)」

の決定的な違いがある。


17世紀、オランダの「チューリップ・バブル」

を例にすると、

縞模様の入った珍しい球根一つに、

家一軒分の値段がついた。

生産以上に「欲しい人」が増え、

聞きつけた投機家たちもどんどん群がり、

価格は上昇していった。

上昇相場の中にいる時、

全員が「自分は儲かっている」と確信している。

最後に取引された「価格」こそが、

自分の資産価値だと信じ込んでいた。

しかし、いずれ価格は崩壊し、

人々は球根1つと家一軒分は

過剰すぎるバブルだったと振り返った。


こうしていままで幾度となく、

バブルが繰り返されてきた。


「〇〇バブルがはじけて、多くの富が失われた」

と表現されるが、正確には富は失われていない。

共同幻想的な妄想がなくなっただけである。


オルカンやタワマンも

いまの価格以上で将来売れると信じているが、

共同幻想がなくなった段階で、価格は崩壊する。

これが「値段(価格)」の正体である。

ただし、その価値は失われていないのだ。


2. ガソリンの価値は変わらない

もうひとつ、具体例を挙げよう。

ガソリンの「価値(効用)」は、

リッター140円の時も180円の時も変わらない。

車を〇km/L走らせるという価値は一定だ。

しかし、

中東情勢という「外部の変数」によって、

その値段が上下している。


これが値段と価値の違いだ。


私たちは新NISAなど、

ネット証券のマイページで

眺めている「評価額」という数字。

これも「価格」に過ぎない。


政府お墨付きを御旗にして、

新NISAに投資している我々も

利回りだけで見て、運用先を決め、

売却時に価格(値段)が上がっていることを

期待する行為である。


チューリップの球根1つを

家一軒と交換した人々は、

最後に何を見たのだろうか。


私たちは、画面上の数字だけではなく、

そのものの本質「モノの価値(効用)」

という実態を見失ってはならない。