利他は良い考え方だが
その性質は3つに分類される。
(1)共感型利他
ある問題に共感して、支援をする。
<例>
・ウクライナの報道を見てユニセフに寄付。
・家族ががんで亡くなったので、
がん治療研究に寄付。
(2)合理的利他
支援をすることにより、
最終的に、自分の利益につながる。
<例>
・地域社会に貢献(見回り・通学支援)
→安心して住める街になる。
ジャックアタリが提唱する
「コドモ達の未来に向けての良い行動は
自分の将来がよりよい社会となる。」
この合理的利他の考えだ。
(3)最大効果型利他
支援の効果を最大限にすることを
最優先に行動する。
アメリカで盲導犬を1頭育てる
(費用は約4万ドル)より、最貧困の
何千人にもワクチン接種をさせる。
自分がNPOで働くより、ウォール街で
働いて、より多額の寄付をする。
それぞれ概ね良い行いと言えるが
共通して注意すべきことがある。
それは相手に、
「結果を求めてはいけない。」ということだ。
<例>
あなたのために用意したんだから、
あなたは喜ぶべきだ。
寄付したんだから、
期待通りの効果を上げるべきだ。
結果を押し付けることは
相手を支配することにつながる。
基本的に、利他の結果はコントロールできない。
では、理想的な利他はどういうカタチか?
大切なのは「器を用意する」ことだ。
余白を持った器を用意し、
そこに自分と相手の意見も取り入れ、
お互いの意見を持ち寄って、
最後に完成形となる。
提供する側が見返りを求めない行為こそが
利他の本質である。