2022年6月30日木曜日

利他で大切なこと<特別編>

    利他は良い考え方だが

 その性質は3つに分類される。


 (1)共感型利他

    ある問題に共感して、支援をする。

    

   <例>

   ・ウクライナの報道を見てユニセフに寄付。

   ・家族ががんで亡くなったので、

    がん治療研究に寄付。

        

 (2)合理的利他

    支援をすることにより、

    最終的に、自分の利益につながる。


   <例>

   ・地域社会に貢献(見回り・通学支援)

    →安心して住める街になる。

   

    ジャックアタリが提唱する

   「コドモ達の未来に向けての良い行動は

    自分の将来がよりよい社会となる。」

    この合理的利他の考えだ。


 (3)最大効果型利他

    支援の効果を最大限にすることを

    最優先に行動する。

    

    アメリカで盲導犬を1頭育てる

   (費用は約4万ドル)より、最貧困の

    何千人にもワクチン接種をさせる。

    

    自分がNPOで働くより、ウォール街で

    働いて、より多額の寄付をする。



 それぞれ概ね良い行いと言えるが

 共通して注意すべきことがある。

  

 それは相手に、

 「結果を求めてはいけない。」ということだ。


 <例>

  あなたのために用意したんだから、

  あなたは喜ぶべきだ。

  

  寄付したんだから、

  期待通りの効果を上げるべきだ。


 結果を押し付けることは

 相手を支配することにつながる。

  

 基本的に、利他の結果はコントロールできない。

  

 では、理想的な利他はどういうカタチか?

  


 大切なのは「器を用意する」ことだ。


 余白を持った器を用意し、

 そこに自分と相手の意見も取り入れ、

 お互いの意見を持ち寄って、

 最後に完成形となる。

 


 提供する側が見返りを求めない行為こそが

 利他の本質である。