今、日本中の人々がNISAで
資産を積み上げている。
2024年の新NISA開始以降、
口座数は2000万を突破し、
「お金が貯まったら
FIRE(早期リタイア)する」
という夢を抱くヒトは急増している。
しかし、このまま時価総額は増え続けるのか?
みんながお金を貯めて、
FIREする未来が本当に来るのか?
これを深堀してみよう。
大ドンデン返しは必ず来る
こう言い切る理由は、
実体経済と株価期待値の乖離が
広がり続けているからだ。
みんなの資産を
目減りさせる要因は、大きく分けて二つある。
①株価が1/3になる
②超インフレになる
この二つのシナリオを、冷静に考えてみたい。
シナリオ①:株価暴落
- 共同幻想の崩壊 -
株価は期待値であり、共同幻想である。
17世紀オランダで起きたチューリップバブルを
思い出してほしい。
球根1つ=家一軒という異常な価格が、
「これはおかしい」という共通認識が
広がった瞬間、一夜にして崩壊した。
昨年から株価が2倍になった企業は、
2倍の収益を上げたわけではない。
従業員が2倍に増えたわけでも、
技術力が2倍になったわけでもない。
上がったのは、あくまで「将来への期待値」だ。
この期待値が消えたとき
──例えば、AIバブルが弾けたとき、
地政学リスクが顕在化したとき、
中央銀行の政策が転換したとき
──株価が1/3になることは、
歴史的に何度も起きている。
そのとき、何が起こるか。
あらゆる指標が逆回転する。
- 金利は急低下し、債券価格は上昇
- 不動産価格も急落(買い手が消える)
- 現金の価値が見直される
NISAの評価額は数分の一になり、
4%の利回りを期待していたFIRE層は、
貯金を切り崩すか、再び働き始めるか、
さらなるミニマム生活を強いられる。
このとき、最も打撃を受けるのは誰か。
それは「株式だけに全額投資していたFIRE層」だ。
- 40歳で5000万円貯めてFIREした人
- 年4%(200万円)の取り崩しで生活していた人
- 株価が1/3になると資産は1600万円に
- 年間取り崩し可能額は64万円(月5.3万円)
この金額で、
果たして生活できるだろうか?
「お金があれば自由だ」
という前提が、一瞬で崩れる。
シナリオ②:超インフレ
むしろこちらのほうが現実的だ。
100円だったパンが、500円になる未来
すでに兆候は出ている。
人手不足で賃金が上がり、
建設費や原材料費が高騰している。
そこに、少子化とFIREによる
非就業者の増加が重なる。
生産人口の減少はインフレを加速させ、
生産コストは、ますます上がり続ける。
日米の金利差が拡大し、
ドル円は200円を突破。
輸入物価はさらに高騰し、
食料品・エネルギー・住宅
──生活のあらゆるものが値上がりする。
「老後2000万円」は、
あくまで「今の物価」での試算だ。
2040年の物価で計算すれば、
おそらく5000万円必要になる。
FIRE層は「働かずに生きる」どころか、
「働かなければ生きられない」時代に逆戻りする。
さらに深刻なのは、一度FIREした人々が
簡単に労働市場に戻れないという現実だ。
- 5年間のブランク
- スキルの陳腐化
- 採用市場での年齢の壁
- 「FIREに失敗した人」というレッテル
8がけ社会では労働力が貴重なはずなのに、
「働きたくても雇われない」という
皮肉が生まれる。
シナリオ③:最悪の複合災害
-株安×インフレ-
実は、最も恐ろしいのは①と②が同時に起こる
「スタグフレーション」だ。
株価は暴落(資産は目減り)しながら、
物価は上昇し続ける(生活費は増大)。
1970年代のオイルショック時、
アメリカはまさにこの状態に陥った。
株式も現金も価値を失い、
唯一生き残ったのは「働き続けられる力」
と「現物資産(不動産・金)」だった。
では、私たちはどうすべきか
しかし、悲観する必要はない。
大切なのは「備え方」を変えることだ。
<従来の備え>
- NISA満額投資
- 配当金生活を目指す
- 早期リタイアして自由に生きる
<8がけ社会の備え>
- 資産の分散(株式・債券・不動産・現金・金)
- スキルへの投資(学び続ける)
- 社会との接点を維持(働き続ける)
- 「お金の向こう側」を意識する
これが、大ドンデン返しを生き抜く戦略だ。
<まとめ>
①株価暴落でも、②超インフレでも、
③複合災害でも、共通して言えることがある。
「お金を貯めれば安心だ」という幻想は、
必ず崩れる。
私たちが備えるべきは、
通帳の数字ではない。
それは、「8がけ社会」を生き抜ける力だ。
- 誰かに提供できる技術やスキル
- 社会に貢献できる労働力
- 信頼できる人間関係
- インフレに強い現物資産(不動産・事業)
2040年、椅子取りゲームに勝ち残るのは、
資産額が大きい人ではなく、
社会に必要とされ続ける人だ。
