「値上げは悪」という呪縛を解く
一冊の本を興味深く読んだ。
「物価とは何か」
その本は、こう教えてくれた。
「値上げは悪いことだ」という
日本固有の同調圧力が、30年の停滞を生んだ。
デフレは「物価が下がって消費者に優しい」
のではない。
値上げを許さない空気が、企業の投資意欲を奪い、
賃金を凍らせ、経済の血流を止めてきた。
私たちに突きつけられた2つの選択肢
では、これからの日本はどうすべきか。
選択肢は、大きく二つある。
①円の価値基準を守る
→ 円を維持し、輸入物価を抑える。
「1ドル=150円」を死守する。
②円安を前提に、物価と賃金の上昇を受け入れる
→ インフレを「悪」と見なさず、
値上げと賃上げの好循環を作る。
私は、②しかないと考えている。
なぜ「円基準を守る」は幻想なのか
①を選ぶということは、
日本が円の価値を守るために、
アメリカの市場規模と戦い続けることを意味する。
しかし、これは現実的ではない
アップル、マイクロソフト、
アルファベット、アマゾン、メタ
この5社の合計時価総額は、
日本の国家予算の数十倍に達する。
日本政府がいくら為替介入をしても、
アメリカの市場規模の前では、焼け石に水である。
円基準を守ろうとする経済対策は、
巨大な濁流に小石を投げ込むようなものだ。
では、
②を選んだ場合、私たちはどう行動すべきか。
まずはマインドセットの転換だ。
「値上げは悪いこと」という感覚は、
30年かけて日本人の深部に刷り込まれてきた。
「値上げを受け入れること」は、
「働く人の価値を認めること」だ。
- 労働力が減る
- 円の価値が下がる
どちらも行き着く先はインフレだ。
「円安前提」で生きる。
縮小を受け入れ、インフレを受け入れ、
その中で豊かに生きる仕組みを作ること。
2040年に向けた唯一の現実的な戦略だ
値上げを怒るのではなく、
値上げを受け入れて賃上げを求める。
呪縛を解いた先に未来がある。
