2022年7月27日水曜日

未来は明るい<特別感>

 

 ちょっと前まで、報道などに感化されて、

「子供たちに希望を与えられない世の中

 なりつつあるナー。」

「将来が、不透明な現代社会より

 右肩上がりの戦後高度成長の頃の方が

 希望を持てて生きやすい世の中だったのでは?」

 と思っていた。


 しかし、

「21世紀の啓蒙主義」の本を読んで

 考え方を大きく変えた。


 この本は世界がどれだけ改善されてきたか

 統計を用いて説明している。


 上下巻800ページに及ぶ内容だが

 良くなっている事例は、


 ①平均寿命は延びている。

  1800年代は40歳を超える国はなかった。

  1950年代の欧米でも60歳

  いま生きている我々は祖先より、

  はるかに長く元気に暮らせる。


 ②健康の改善

  栄養事情は改善し、 

  疫病と呼ばれるマラリア/麻疹/

  エイズ/スペイン風邪

  科学という最大の貢献者のもとに

  克服してきた。


 ③食料事情の改善

  ハーバーボッシュ法による化学肥料の

  おかげで食料生産は飛躍的に向上し

  ノーマンボーローグが開発した

  茎が短く実が大きい品種の開発

  は飢餓に苦しむ人は大幅に減った。


 ④貧困の減少

  絶対的な貧困地域は世界で減少している。


 ⑤世界の平和

  スティーブンピンカー著の

 「暴力の人類史」をみると

  いかに暴力が減ったかが分かる。


 ⑥世界の安全

  火事/墜落/溺死なども極端に減った


 ⑦テロの激減

  たまに発生するテロは大きく報道されるが

  件数は劇的に減っている。


 ⑧IQの上昇

  栄養面と健康面の向上による恩恵

  IQの向上のメリットは

  人生の追い風にできることだ。


 ⑨生活の質と選択の自由

  労働に費やす時間の減少

  家事や生活維持のための時間の減少

  電子技術の向上は親密な人間関係を築く上で

  図りしえない恩恵を与えた

  そして将来を選択できる人も増えた。


 上記のように、

 かつて人類が直面した危機は

 もっと死と隣り合わせだったが、

 先人達はいまよりも少ない選択肢の中で

 克服してきた。


 今の我々はコロナや気候変動の問題に

 対峙しなければならない。


 難しい問題に取り組むことを迫られているが

 もっと致死率の高い困難を

 克服してきたという過去の事実を

 定量的に考えると

 今後も人類は科学発展の恩恵を受けて

 克服していくべきという認識を持つべきだ。

 

 難しい問題と解決不可能な問題を

 混同してはいけない。

 

 将来、世の中がどの方向に

 行くかは分からないが、

「21世紀の啓蒙主義」には大いに影響を受けた


★本棚