2022年4月4日月曜日

同調圧力について<特別編>

 「空気を読めよ!」という同調は

 皆が快適に暮らすために

 必要な社会性として求められる。


 例えば、学校では、

 教室で全員が席について、

 静かに授業を聞くことは正しいとされる。


 共同生活をする上でのマナーという前提で、

 他者に迷惑や不快な思いをさせない配慮は

 正しい部分もあるが、反面、

 ”はみだしモノを許さない”という

 同調圧力にもつながる。


 個性のない画一的な集団は、

 生物学的には異常である。


 「生物はなぜ死ぬのか?」の本の中に、

 多様性について、以下の記述がある。

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 生物は多様性を育み、死を繰り返して

 適応できた生物のみが生き残った。

 例えば、

 ①ウナギがわざわざ南海の深海で産卵して、 

  何千キロも旅をするのは、

  捕食者のより少ない遠方まで徐々に

  移動した結果で、

  そのウナギたちの子孫だけが生き残った。

 ②鮭が大変な思いをして、生まれた川の

  最上流まで遡上し、産卵するのは、

  卵や稚魚を食べる捕食者が少ない

  生まれた環境に戻った鮭のみが生き残り、

  他の川に行ったり、海で産卵した鮭は

  生き残れなかった。


 我々が子孫たちに教えないといけないのは

 せっかく有性生殖で作った遺伝的な多様性を

 損なわない教育が大切である。

 すなわち「多様性=個性」である。


 日本の教育は、若者の個性に寛容ではない。

 自由な発想で将来のビジョンを描ける社会。

 予測不可能な未来では、

 多様性が一番の強みとなる。

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 と説く。


 我々の多様性をなくすことは

 生物学的には、画一化された危うい集団となる。


 例えば、火事で同じ避難口から逃げた人々は、

 煙に巻かれ、一酸化炭素中毒で全滅し、

 その場に留まったり、自分なりの脱出ルート

 を探したりした人が助かるケースが

 例として挙げられる。

 

 快適さを求める現代人は

 流れからはみ出したりする他人について

 つい「空気読めよ!」と

 思ってしまうことがあるが、

 しかし、その多様性こそが

 予測できない未来では、強みになる。


 多様な他者との繋がりにより、生きること。

 その「共感力」を身に着けることができれば

 われわれはもっと寛容になれるのではないか?