ダイムラーは2030年に
すべてEV化すると発表した。
野心的な構想である。
新興メーカーもぞくぞく参入するなど
日本のトヨタは追われる側だが、
十分準備して、ラインナップを揃えれば、
テスラの自動車における優位性は
いずれ低下していくと考えられる。
年間1,000万台を売り上げる販売網や
車検や修理を担える総合力は
既存メーカーに強みがある。
クルマ業界の大変革は
ファミコンで圧倒的シェアを誇っていた
任天堂が参考になる。
プレステPS(PlayStation)が台頭してきた際、
「グラフィックはプレステが上」
「おもしろいソフトはプレステから発売」
などと、任天堂の優位性は
大きく下がると言われていた。
しかし、任天堂は
WiiやNintendoSwitchを世に送り出し、
ゲームの楽しみを再定義し、
魅力的なゲームを提供し続けている。
昨年読んだ本”Range”では、
ゲームボーイの躍進を
「枯れた技術の水平仕様」として紹介し、
新しい技術ではなく、確立された技術の
組み合わせで、成功につながったと分析している。
後だしでも、ニーズをつかみ、
良いものを提供すれば、
受け入れられると紹介している。
トヨタを任天堂になぞらえると、、
①「世界的なCNの潮流の中で、
EV化という大変革の波」
→EV/BEV化は必須だが、
日本は、電気=グリーンエネルギー
ではないので
FCVなど多様なラインナップをもつ
トヨタの幅を持たせた戦略は商機がある。
そして充電施設の整備は
国策対応が必要であり、
国が命運を握っている。
②「テスラのような洗練されたクルマは
万人が求めるものではない。」
→プレステの高画質なグラフィックのように
万人が洗練さを求めているわけではない。
トヨタ社長の
「もっとワクワクするクルマをつくろうよ」
が、任天堂がゲームを再定義したように
モビリティの再定義がカギになる。
③「丈夫なクルマ」
→耐久性や故障の少なさが、
日本車への信頼につながっている。
EV化したのちも、電池を含む部品の
耐久性と安全性を有する信頼性が
群雄割拠のEV業界でもカギになる。
ということで、
クルマ本体がコモディティ化していく中で、
付加価値(運転の楽しさや、
モビリティの役割)が
勝ちパターンの大きな要素となる。
それはNintendoSwitchように、
最先端の技術とは限らない。
そしてカーボンニュートラルの潮流では、
化石燃料由来の電気で
クルマを製造していることを
欧米の有識者はバッシングするだろう。
この問題も、
国や電力会社が頑張らなければ、
日本メーカーは
さらに生産を海外に移管せざるを得ない。
以上、クルマの未来を語るでしたー。