「健康は自己管理であり自己責任である。」
と声高に言う人は、いままで、大きな病気をしていない人が多い。
不摂生な生活を送っていても
病気になっていなければ、
自己管理に成功している人。
逆説的には
病気の人は、本人の努力が足りないから
病気に至ったと言っているように聞こえる。
そうではない。
病気の人=困っている人だ。
病気になる/ならないは確率論であり、
自分も困っている人側になりうるという
という視点が必要だ。
そんな確率的に運の悪かった人のために、
セーフティーネットや公的支援がある。
自己責任論を声高に主張する人は
社会的に恵まれた立場の人が多い。
恵まれた環境は自分のチカラで
勝ち取ったと自負があるかもしれないが、
果たしてそう言い切れるだろうか?
多くの場合、環境が整った土台の上で
努力できたのだと思う。
いい大学に行けたのは、進学に理解があり、
お金を出してくれた親がいたからだ。
高年収の者は、たまたま才能を認めてくれる
社会に生まれたおかげで、良い待遇で
雇用してくれる会社があるだけで、
これらは自分の手柄とは言い難い。
努力よりも、良い環境に恵まれたことが
最大且つ根底にある要因で、
それは運が良かったに違いない。