マンション価格は、
これからさらに高くなるのではないか。
モラリストはそう予測している。
もちろん、「必ず上がる」
と言っているわけではない。
そう思える根拠を示す。_φ(・_・
金利が急上昇すれば、
住宅ローンを組める人は減る。
景気が悪化すれば、買い手も減る。
人口減少も長期的には住宅需要を押し下げる。
「さすがに価格は十分上がったし、頭打ちでしょ」
と一見👀思えそうだが、
都市部の駅チカマンションの中古価格は
下がりにくい構造がある。
理由は、大きく3つある。
① 土地が買えなくなっている
まずは、土地だ。
15年前なら、
「駅から徒歩数分なのに、
こんなに広い土地が残っている」
という場所が、まだあった。
中古車販売店だったり、
大きな駐車場だったり、
古い工場だったり。
失われた30年と言われた不景気の中、
手放すヒトはたくさんいたが
デフレマインドで買い手は不在だった。
デベロッパーはそうした土地を買って、
マンションを建て、供給してきた。
今は違う。
駅に近い土地には、
マンションだけではなく、
ホテル、オフィス、商業施設もライバルだ。
つまり、
マンション同士だけで
土地を奪い合っているわけではない。
デベロッパーが駅チカで
どうしても欲しい土地なら、
ビジネスホテルにも競り勝たなくてならない。
つまり、
土地取得コストが上昇⤴️
↓
マンション原価が上がる⤴️
↓
販売価格も上がる⤴️
という構造になる。
② 「作る人」が減っている
2つ目は、建設業の担い手不足だ。
国土交通省によれば、
建設技能者は、
60歳以上が約4分の1。
29歳以下は約12%。
将来の担い手確保を「急務」とされている。
つまり、
土地があっても、お金があっても、
建物を作る人が足りなくなる。
ここが大きい。
しかも、
建設業がマンションだけを
作っているわけではない。
工場も作る。
物流施設も作る。
データセンターも作る。
オフィスも作る。
インフラも作る。
限られた建設労働力を、
いろいろな工事で奪い合う。
作り手が少なくなれば、
労務費にも上昇圧力がかかる。
土地が高い。
材料も高い。
人件費も高い。
マンションの原価は、
下がる要素がいまのところない。
③ 「買える人」が価格を押し上げる
3つ目は、買い手側の変化だ。
ここが少し面白い。
マンション価格は、
「原価+利益」
だけで決まっているわけではない。
デベロッパーにとって重要なのは、
「この価格で買える人が、
どれくらいいるのか」である。
例えば、
5,000万円まで借りられる人が中心だった市場で、
世帯年収の上昇や
住宅ローン期間の長期化によって、
6,000万円まで借りられる人が増えたら、
市場で成立する価格帯も変わってくる。
近年はペアローンや
長期の住宅ローン(50年)も広がっている。
夫婦2人の収入を使い、
さらに親から頭金の援助を受ける。
すると、以前は
「富裕層しか買えない価格帯のマンション」
が
「一部のパワーカップルなら
手が届くマンション」
に変わる。
デベロッパーにとって
即日完売は値付けの見込みが甘すぎで
1年以上売れ残りがあるのも戦略ミスだ。
マンションが完成した段階で
なんとか売り切ったがベストプライスなのだ。
つまり
賃上げにより、銀行融資枠が拡大すれば
マンション価格も上がる⤴️
「買える人がいる限り、駅チカマンションの
価格が上がる」
ということだ。
④ インフレだけでも、2040年には1.32倍
もう一つ、忘れてはいけないことがある。
物価だ。
仮に年間2%の物価上昇が続いたとする。
10年では、
約1.22倍。
14年では、
約1.32倍。
つまり、
2026年に5,000万円だったものが、
2040年の5,000万円は
実質的には価値が下がる。
土地
+
建設資材
+
労務費
+
設備
+
販売費
が上昇する環境では、
「昔と同じ価格で作る」こと自体は
難しくなる。
⑤ マンションはずっと上がるのか?
ここは注意が必要だ。
ワタシは、
「マンション価格はずっと上がる」
と言いたいわけではない。
むしろ、
二極化する
と考えている。
人口が減れば、
すべてのマンションの価値が
上がるわけではない。
駅から遠い。
買い物が不便。
人口が減っている。
建物が古い。
管理状態が悪い。
こうした物件には、価格下落の圧力がかかる。
一方で、
駅に近い。
交通が便利。
病院や商業施設がある。
再開発が進む。
仕事が集まる。
人が集まり続ける。
こうした場所では、
人口減少そのものが、
逆に集中を生む可能性がある。
100人の村が80人になった。
では、
村全体が均等に20人減るのか。
そうとは限らない。
山間部から20人減る。
郊外からさらに減る。
そして駅前に人が残る。
すると、
100人→80人
になったのに、
駅前だけは人が減らない。
むしろ、
人・店・病院・学校・交通・お金が、
そこに集まってくる。
⑥ 「買うか、借りるか」は難しくなる
では、
「高いから賃貸でいい」
という選択はどうなのか。
もちろん、それも一つの選択だ。
住宅ローンを背負わなくていい。
価格下落リスクも負わない。
ライフスタイルも変えやすい。
ただ、
「いつかは持ち家」
と思っている人にとっては、
購入タイミングは難しいと思える。
5,000万円だったマンションが、
5,500万円になった。
「もう少し待とう。」
さらに、
6,000万円になった。
「もう少し待とう。」
そして、
6,500万円になる。
このとき、
「待つことで安くなる」
とは限らない。
むしろ、
待っている間に価格が上がってしまう
ということもある。
⑦ 大切なのは「マンション価格」ではない
重要なのは、
「マンションが上がるか、下がるか」
だけではない。
「人口が減っていく中、どこに人が残るのか」
ということだ。
100人の村が80人になれば、
人がいなくなる場所と、
人が集まる場所が生まれる。
「人口が減る」を考えるなら、
むしろ、
「人はどこに集まるのか?」を考える
駅。都市。病院。大学。職場。
商業施設。再開発地区。
そして、それらを結ぶ交通網。
最後に
都市部の駅チカマンションには、
今後も価格を押し上げる力が働きやすい。
そして、
人口8がけ社会では、
「どこにでも住める」
時代から、
「人が残る場所を選ぶ」
時代へ変わっていく。
マンションの価値とは、
単に、「建物の値段」ではなく、
その立地周辺に、人が集まり続けるのか。
8がけ社会では、
これが大事なファクターと言える。
