観光都市ではなく、最強の「ハブ拠点」を目指せ
サカエに新たなランドマークがオープンした。
しかし、依然としてインバウンドの熱狂
から名古屋は取り残されている感は否めない。
この街は、自らの魅力を高め、
さらに成長することができるのだろうか。
15年以上にわたり名古屋に住み続けている
「わが街・名古屋」を
冷静に分析してみたい。
1. 観光地としての「圧倒的な弱点」
まず、観光都市としての名古屋を評価してみる。
正直なところ、名古屋そのものに
外国人を惹きつける強力な磁力は弱い。
<名古屋の観光資源>
① 伊勢神宮への玄関口
② 飛騨高山・白川郷への拠点
③ 大阪/京都観光のための「安くて広い宿泊地」
④ 大須商店街
⑤ ジブリパーク(新たなキラーコンテンツ)
並べてみると分かる通り、
名古屋はあくまで
「他の有名観光地へ行くための通過点・宿泊地」
としての役割が強い。
名古屋単体での滞在需要を生み出すには
パンチが足りないのが現状だ。
2. 食文化の「内需の強さ」
一方で、食べ物に関しては
独自の文化がある。
<名古屋めし>
① ひつまぶし
② 味噌煮込みうどん
③ 味噌カツ
④ 手羽先
⑤ 台湾ラーメン
これらはどれも、県外からの観光客を唸らせる
強いコンテンツである。
しかし、これらの食文化は、観光客向けに
洗練されたというよりは、
地元民の濃い味の好みに支えられて
熟成されたものだ。
いわば「超強力なローカルフード」であり、
インバウンド向けに「価格」を釣り上げなくても、
地元需要だけで十分回っている。
3. 不動産オーナーが見る「伸びしろの限界」
不動産を所有するオーナー視線で言うと、、
不動産価格や賃料の伸びにおいて、
名古屋は大阪・京都に明らかに見劣りする。
その理由は明確だ。
名古屋は通勤圏内の郊外に
一戸建てを持てるだけの土地があり、
筋金入りの「マイカー王国」だからだ。
都心に住む必然性が薄いため、
マンションを高層化しても
東京ほどの需要が生まれず、
路線価も爆発的には伸びない。
不動産屋さんは「リニアが開通すれば
名古屋は成長する。東京郊外に住むより、
名古屋なら通勤40分だ」と売り込む。
しかし、すでに東海道新幹線という
大動脈(のぞみ:数分毎運航)がある中で、
リニアによる通勤需要の伸びしろは
輸送能力を見ても限定的と見ている。
4. 製造業の「保守的な成功体験」
4月に深圳を旅行し、
中国のモノづくりの圧倒的なスピード感を
目の当たりにしてきた。
翻って東海地方はどうか。
トヨタ関連が絶好調なため、
保守的な経済の成功体験が
数十年間持続している恵まれた環境にある。
地元の優秀な学生(名大・名工大など)は、
OBから脈々と受け継がれる
優良な地元製造業(JTC)に
当たり前のように就職できる。
だからこそ、深圳のような破壊的な
イノベーションを起こす必要性が生まれない。
少し脱線するが、、
トヨタも強い危機感を持っている。
愛知県内にある老朽化した工場や設備は、
最新の半導体工場に見劣りする。
優秀な人材が最新テクノロジー企業に
流出するのを防ぐため、
愛知県内の工場への環境改善(ヒト投資)に
力を入れ始めた。
品川に新オフィス拠点を構えるのも、
「豊田市くんだりに行きたくない」という
優秀な東京人材を確保するための策だ。
5. 名古屋の最適解は「ハブ拠点」
では、名古屋は今後も発展するのか。
爆速成長はないが、
保守的な経済基盤により
安定的な成長は期待できる。
特に名駅付近のホテル業界は、
京都/大阪観光の「便利な寝床」として、
今後も展望は明るいだろう。
ここが名古屋の進むべき道だ。
観光都市として輝こうとすると、失敗する。
もっと言うと
「名古屋飛ばし」を逆手にとり、
いっそのこと開き直ってはどうか???
・「真ん中が空いた駅弁」を売り出す
(伊勢と京都に挟まれたハブの自虐)。
・「京都まで40分(新幹線)」を
セールスポイントにする。
・伊勢神宮や高山へ、
名古屋からドローンタクシーを飛ばす
観光都市ではなく、
日本列島を繋ぐ「立派なハブ拠点」として
立ち位置を固めた方が、
名古屋は確実にうまくいく。
