ちょっと前まで、報道などに感化されて、
「子供たちに希望を与えられない世の中
なりつつあるナー。」
「将来が、不透明な現代社会より
右肩上がりの戦後高度成長の頃の方が
希望を持てて生きやすい世の中だったのでは?」
と思っていた。
しかし、
「21世紀の啓蒙主義」の本を読んで
考え方を大きく変えた。
この本は世界がどれだけ改善されてきたか
統計を用いて説明している。
上下巻800ページに及ぶ内容だが
良くなっている事例は、
①平均寿命は延びている。
1800年代は40歳を超える国はなかった。
1950年代の欧米でも60歳
いま生きている我々は祖先より、
はるかに長く元気に暮らせる。
②健康の改善
栄養事情は改善し、
疫病と呼ばれるマラリア/麻疹/
エイズ/スペイン風邪
科学という最大の貢献者のもとに
克服してきた。
③食料事情の改善
ハーバーボッシュ法による化学肥料の
おかげで食料生産は飛躍的に向上し
ノーマンボーローグが開発した
茎が短く実が大きい品種の開発
は飢餓に苦しむ人は大幅に減った。
④貧困の減少
絶対的な貧困地域は世界で減少している。
⑤世界の平和
スティーブンピンカー著の
「暴力の人類史」をみると
いかに暴力が減ったかが分かる。
⑥世界の安全
火事/墜落/溺死なども極端に減った
⑦テロの激減
たまに発生するテロは大きく報道されるが
件数は劇的に減っている。
⑧IQの上昇
栄養面と健康面の向上による恩恵
IQの向上のメリットは
人生の追い風にできることだ。
⑨生活の質と選択の自由
労働に費やす時間の減少
家事や生活維持のための時間の減少
電子技術の向上は親密な人間関係を築く上で
図りしえない恩恵を与えた
そして将来を選択できる人も増えた。
上記のように、
かつて人類が直面した危機は
もっと死と隣り合わせだったが、
先人達はいまよりも少ない選択肢の中で
克服してきた。
今の我々はコロナや気候変動の問題に
対峙しなければならない。
難しい問題に取り組むことを迫られているが
もっと致死率の高い困難を
克服してきたという過去の事実を
定量的に考えると
今後も人類は科学発展の恩恵を受けて
克服していくべきという認識を持つべきだ。
難しい問題と解決不可能な問題を
混同してはいけない。
将来、世の中がどの方向に
行くかは分からないが、
「21世紀の啓蒙主義」には大いに影響を受けた
★本棚 |
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