2021年9月2日木曜日

参加型社会主義<特別編>

2035年の未来を想像してみる。
 
産業革命以来、フロンティアを開拓し、
大量生産・大量消費をしてきた資本主義は
世界的な気候変動により、行き詰まりを迎える。

もはや革新的な成長は期待できず、
先進国を含めて、歴史的な低金利により、
2%を超える経済成長は
どこの国でも難しくなる。

資本主義の終盤まで、
富を増やし続けた富裕層と、
資本の時間的拡大の恩恵を
受けれなかった中間・低所得者層。
階層間の移動は一層難しくなり、
持つ者・持たざる者で格差が広がったままで
次のステージに入る。

快適/便利を追い求める消費生活は、
恐竜型と揶揄される風潮になり、
資源は有限な共有財産<コモン>として、
全体的には緩やかな参加型社会主義に移行する。

<富裕層>
環境意識の高い富裕層はグリーン富裕層となり、
コスト高でも、環境負荷の少ない
エネルギー源を好み、
消費についても、価格優先ではなく、
環境負荷の少ない=カーボンニュートラルの
生産/販売元から購入することを好む。
 
環境負荷の少ない暮らしを
実践することによって
自らの存在に罪悪感を
感じないようにしているが
彼らの頭の中で資本主義は続いていく。

<中間・低所得者層>
必要なものには囲まれており、
消極的な所有欲と、
富裕層との格差に対する嫌悪感がある為
参加型社会主義への抵抗感は少ない。
むしろ、
経済的に弱い立場に置かれる若者を中心に
富の再分配を求める声が高まり、
ベーシックインカムによる
強烈な社会主義への関心は最高に高まる。
(共産党の台頭)

<価値を有する企業>
参加型社会主義でも
以下の企業は価値を有する。
 
(1)社会問題を解決できる会社
 
(2)文化創造を生み出せる会社
 

(1)社会問題を解決できる会社
社会問題の解決は、
環境負荷を低減する技術。
減災対策(治水や防災)が挙げられる。
医療分野では予防医療が有望だ。
食品は、気候変動後も安定的に供給できる
大豆など有望な原料による肉・魚・野菜などの開発。
過疎化した地域に食材を届けるなども
社会問題を解決する事業として有望だ。

これらの社会的な意義のある仕事は
若者の「自分らしい生き方」の道標になりうる。


(2)文化創造を生み出せる会社
大量消費の社会からの転換において 
「個人の幸福感」に寄与する文化や価値を
提供することは今以上に価値を持つ。

古い文化と新しいテクノロジーを融合した
まったく新しい分野が発展する。
 
マーケティングによる戦略的な
価値の創造は薄っぺらい。
 
ルーブル美術館や江戸時代の茶碗など
過去の人々を魅了してきた芸術作品。
すなわり”眼福”と言えるものは、
今以上に価値を持ち、人々の心に訴える
チカラを持つだろう。 

<新たな脅威>
気候変動の影響を最も受けるのは後進国だ。
海面上昇など生活ができなくなる人々は、
難民と化し、資本主義の恩恵を
享受してきた先進国への憎悪の種を生む。 
 
宗教的な過激派とエコロジストが組んで
想像できないような新たな脅威の出現が
懸念される。
これを阻止するには、気候変動対策と
同時に第三国へのフォローが必要だ。
 

この先2035年までの約15年。
気候変動を極力抑えるには、
SDGsのような緩やかな枠組みではなく、
法的な罰則を含めたゲームチェンジが必要だ。
★さらば資本主義