2025年12月20日土曜日

令和の「正解主義」

三宅香帆さんの最新本『考察する若者たち』は
令和の「正解主義」を深堀したテーマだ。
本書では、現代の若者の精神性を「考察」
というキーワードで鮮やかに解剖している。

 1. 「批評」から「考察」へのパラダイムシフト

昭和〜平成には、正解のない解釈を広げて
味わう「批評」が好まれた。
対して令和では、作者の意図や伏線回収など、
唯一の“正解”を当てにいく「考察」へと
重心が移っている。
☆人気本(変な家シリーズ)
 

2. コンテンツ消費に見る「最適化」への渇望

この変化は、以下の文化的変容に顕著に表れている。
個人的な「好き」の消費から、理想的な対象を応援し、
関係性を育てるプロセスへ。
☆ 推し活  


3.ループもの → 転生もの

同じ条件で試行錯誤(努力)する物語から、
初期条件(スペック)そのものを変えて
最適化する物語へ。
「遺伝ガチャ」への諦念と、
それに対する解決策としての転生願望。
☆転生ものドラマ(ブラッシュアップ/転スラ)
 
 

4.自己啓発 → 陰謀論

「努力は報われる」という物語から、
「世界の仕組みは歪んでいる」と
一足飛びに説明してくれる物語へ。
☆ディープステート/上級国民  
5. テクノロジーと社会背景
ググる → ジピる(生成AI)
複数の候補から自分で選ぶ「検索」の負担を嫌い、
AIが提示する
「もっともらしい一つの答え」を求める。
☆チャッピー君/Gemini/Claude

5.ヒエラルキー → 界隈

統一された序列ではなく、
趣味嗜好で分かれた「界隈」ごとの
正解に同調し、安住する。
☆界隈消費(アニメ界隈)
 
【結論】最適化へ抵抗せよ
筆者は、こうした効率化・最適化の波に対し、
あえて「抗う」ことの重要性を説く。
時間がかかったとしても、
他者の正解ではなく
「自分だけの感想」や「やりたいこと」
を手放さないこと。
オリジナルな感情を大切にすることこそが、
現代を生きる処方箋となる。

☆この本は”今”を鋭く解説している。

 正解や居心地の良い居場所を選べる現代は

 見たいようにしか見ない

 視野狭窄になりがちである。 

 オリジナルな感情こそが

 アイデンティティーになりうる。



<過去ブログ>

推し活社会

才能の価値

共感の限界